入力した財務諸表をCodexが点検し、確認レポートへつなぐ流れの概要図
検証内容の概要図(画像生成)。この後に掲載するExcel画面とチェック結果は、今回の実行で作成した実物です。

30秒で分かるこの記事

数字を全部判断させず、
「見る場所」をAIに探してもらいます

難しい分析を丸投げする記事ではありません。AIが並べた確認候補を、最後は人が元の資料と見比べます。

経理担当者が財務資料に悩み、AIに数字を整理してもらい、最後に自分で確認する3段階のイラスト
この記事の流れを表したオリジナル図解(画像生成)。AIは整理を手伝い、最終確認は人が行います。
  1. 悩み確認する数字が多い

    どこから見ればよいか分からず、見落としも心配です。

  2. AIで整理変化の大きい項目を抽出

    決めたルールで、要確認の候補を同じ順番に並べます。

  3. 人が確認元帳・証憑と見比べる

    候補の理由を確かめ、会計上の判断は担当者が行います。

先に結果

貸借一致はPASS。優先確認事項を7件抽出できました

データ整合性PASS貸借差額 0円
要確認7件しきい値で抽出
営業利益−63.1%前期比

現預金の減少、棚卸資産と短期借入金の増加、利益率の低下などを機械的に検出し、「次に人が何を確認するか」まで出力しました。

はじめに

あなたがする操作は、3つだけです

難しい命令やプログラムを書く必要はありません。今回、人が行ったのは次の3つです。

1
あなたがする

Excelを1つの場所に入れる

前期と当期が分かるファイルを用意します。

2
あなたがする

お願い文を貼り付ける

下にある文章をコピーしてCodexへ送ります。

3
あなたがする

完成したExcelを開く

オレンジ色の「要確認」から順に見ます。

言葉が分からなくても大丈夫
フォルダ

パソコンの中の「書類入れ」

Codexへの依頼文

AIへ渡す普通の日本語のお願い

出力ファイル

Codexが新しく作った完成品

操作 1

Excelを「財務チェック」フォルダへ入れます

デスクトップなど分かりやすい場所に「財務チェック」というフォルダを作り、その中に確認したいExcelを入れます。最初は実データではなく、この記事の架空サンプルで試すと安全です。

まずは完成例を開いて確認できます

今回使った架空データと、チェック結果が入ったExcelです。

サンプルExcelを保存する ↓
実在する会社のデータを使う前に、社内ルールや契約上、外部AIへ入力してよい情報かを確認してください。

操作 2

Codexへお願い文を貼ります

Codexの新しい作業を開き、先ほど作った「財務チェック」フォルダを作業場所として選びます。次に、下の文章をそのままコピーして送ります。

1Codexを開く新しい作業を始める
2フォルダを選ぶ「財務チェック」を指定
3文章を貼る下のお願い文を送信
Codexへ貼り付ける文章
このフォルダにあるExcelを使って、財務チェックをしてください。

【守ってほしいこと】
・元のExcelは書き換えない
・分からない点は勝手に決めず、先に質問する
・結果は新しいExcelファイルにする

【確認すること】
1. 資産合計と、負債・純資産合計が一致するか
2. 流動比率、自己資本比率、営業利益率
3. 前期から25%以上増減した主な科目
4. 売上高、営業利益、当期純利益の前期比較
5. 人が次に確認する資料や項目

まず、これから行う作業を普通の言葉で説明してください。
私が確認したあとに実行してください。
この文章でCodexへ伝えていること
  • 元のExcelを壊さない
  • 確認項目を先に決める
  • 分からないことは質問してもらう
  • 完成品は別のExcelにする

操作 3

実行前に、元ファイルを変更しないことを確認します

Codexは作業前に、これから何をするか説明します。専門用語を全部理解する必要はありません。次の3点だけ確認します。

  • 確認1対象ファイル名が合っている
  • 確認2「元ファイルは変更しない」と書いてある
  • 確認3削除や外部送信が含まれていない

内容が違う場合は実行せず、「元のExcelは変更しないでください」「結果は別ファイルにしてください」と追加で伝えます。

ここからはCodexの作業

実行すると、Codexが4つの作業を順番に進めます

ここは人が操作する部分ではありません。Codexが、Excelを読む・基準で点検する・結果をまとめる・新しいファイルへ保存する、という順番で進めます。

01Excelを受け取る前期・当期の財務数値
02基準で点検整合性・比率・増減
03レポート出力論点と確認先を整理
04人が最終確認元帳・証憑と照合
あなた入力する・内容を確認する

Excelを用意し、お願い文を送り、結果の数字を判断します。

Codex読む・計算する・整理する

同じ確認手順を実行し、別ファイルへ結果をまとめます。

実際の入力画面

Codexが読み取ったExcelは、この形です

実在企業の情報は使わず、卸売業を想定した架空データを用意しました。青い数字が入力値です。前期と当期が横に並んでいれば、「どの数字が増減したか」を比較できます。

Codex検証用に作成した架空企業の比較財務諸表Excel
青字が模擬入力、黒字がExcelの計算式です。資産合計と負債・純資産合計は一致しています。 画像を拡大 ↗
安全性現預金・借入

短期の支払余力を見る

効率性売掛金・在庫

資金の滞留を見る

収益性売上・利益

利益率の変化を見る

この記事の数値はすべて架空です。特定企業の財務状態を示すものではありません。

自動チェックの基準

どの数字を「要確認」にするか、後から変えられます

今回のしきい値は検証用です。主要科目の前期比25%、流動比率120%、自己資本比率20%、営業利益率3%を基準にしました。

主要科目の増減率や流動比率など、編集可能な財務チェック基準
青字の設定値を変更すると、判定も更新されます。 画像を拡大 ↗

ここが重要です。比率の「正常・異常」は業種、企業規模、季節性、借入方針で変わります。AIが一般的なしきい値を置いて終わりではなく、自社や顧問先に合わせて担当者が決める必要があります。

作業中の見え方

作業が始まったら、基本は画面を見て待つだけです

今回はCodexが次の順番で進めました。途中で質問された場合だけ、分かる範囲で答えます。分からなければ「分からないので元のExcelから判断してください」と返して構いません。

完了Excelの中身を確認シート名と前期・当期を確認
完了計算が合うか確認資産と負債・純資産などを照合
完了大きく動いた数字を抽出25%以上の増減を探す
完了結果ファイルを作成元ファイルとは別に保存
実際の作業ログを見る(専門用語が含まれます)

増減率だけでなく、各論点の次に確認する資料も指定しました。例えば在庫増加なら、滞留在庫・評価減・棚卸差異を人が確認します。

完成後の操作

新しくできたExcelを開き、オレンジ色の項目から見ます

作業が終わると、元のExcelとは別に結果ファイルができます。「財務チェック結果.xlsx」を開けば、最初の画面に確認すべき数字が並びます。

Codexが抽出した財務指標と優先確認事項のExcelダッシュボード
当期の主要指標、優先確認事項、主要科目の前期比較を1画面にまとめました。 画像を拡大 ↗
−45.8%

現預金

大口支払、返済、設備投資、資金移動を確認

+68.0%

棚卸資産

滞留在庫、評価減、棚卸差異を確認

+120.0%

短期借入金

新規借入、長短振替、返済条件を確認

−63.1%

営業利益

粗利率低下と販管費増加の内訳を確認

貸借一致と財務比率、前期比を一覧にしたCodex財務チェック表
「実績・基準・差分・判定・人が確認すること」を同じ行で確認できます。 画像を拡大 ↗

貸借一致や利益計算はOKです。一方、比率や増減率は「誤り」ではなく「要確認」としました。機械的なフラグと会計上の断定を分けるためです。

結果を直したいとき

追加のお願いも、普通の日本語で伝えられます

完成後に内容を増やしたい場合は、新しく作り直す必要はありません。同じCodexの画面で続けて頼みます。

見方を簡単にしたい

「会計に詳しくない社長向けに、重要な3項目だけ最初に表示してください」

基準を変えたい

「前期比25%ではなく、20%以上の増減を要確認にしてください」

理由を深掘りしたい

「棚卸資産が増えた理由を確認するために、次に見る資料を一覧にしてください」

検証結果

実際に作って分かった、向く仕事と注意点

定型チェックは揃えやすい

貸借一致、比率計算、前期比など、同じ手順の繰り返しは再現しやすいです。

確認順を絞れる

大きく動いた科目を先に出すことで、人が見る範囲を狭められます。

!

理由までは断定できない

数値変化の原因は、元帳・補助簿・証憑・担当者への確認が必要です。

実務導入前に追加したいもの

  • 会計ソフト別の科目マッピング
  • 月次・年次の期間判定
  • 業種別のしきい値
  • 異常値の除外ルール
  • 顧客データの権限管理
  • 実行履歴と人の承認記録
本番データを使う場合は、元ファイルを直接上書きせず、コピーを入力にして別フォルダへレポートを出す設計が安全です。自動修正より先に、読み取りと指摘だけで検証します。

参考情報

元動画を見なくても進められるように、手順を再構成しました

着想元は、税理士の荒井悠輔氏による「Claude Codeで財務諸表チェックを自動化してみた」です。この記事では動画視聴を前提にせず、Codexで行った操作、依頼文、確認画面、完成ファイルまでを最初から説明しています。

考え方を参考にしつつ、データ・チェック基準・依頼文・レポート・記事内の画面は今回のCodex検証用に新しく作りました。

再現用サンプル

今回のExcelとレポートを確認できます

同じ画面を確認できるように、架空データのExcelと、Codexが出力したMarkdownレポートを置きました。

二次配布や実務利用の際は、数値・基準・利用条件を必ず見直してください。

今回のまとめ

Codexは、財務レビューの「最初のふるい分け」に使えました

計算と前期比較を揃え、優先して見る場所を出すところまでは自動化できます。会計上の理由を判断し、証憑と照合し、最終承認する工程は人に残します。

検証・更新履歴

2026年8月8日
元動画の手順を確認。架空データ、チェックルール、実行処理、Excel、MarkdownレポートをCodexで作成し、結果を目視確認
2026年8月8日
ITに詳しくない方でも再現できるよう、フォルダ準備、コピペ用依頼文、実行前確認、完成ファイルの見方を追加
2026年8月10日
初心者向けの導入図解と、悩み・AIで整理・人が確認する3段階の説明を追加

よくある質問

Codexだけで財務諸表の最終チェックはできますか?

できません。今回できたのは、転記確認、計算一致、しきい値による抽出、前期比較のたたき台です。元帳・補助簿・証憑との照合と最終判断は税理士や会計担当者が行います。

実在企業のデータを使いましたか?

使っていません。実在企業とは無関係の架空の卸売業データです。